「使う人の目線」を忘れないことが
長く愛される建物につながる。

Aさん

建築部建築 I課所属
平成11年入社 
建築学科専攻

これまでの業務経験公共性の高い大型施設を多数経験

大学図書館や介護付老人ホーム、社員寮、通信施設、物流センターなど大型の施設を中心に現場監督を務めてきました。石川建設は平均して工期が1年くらいの現場が多いのですが、こうして振り返ってみると、現場監督として一通りの経験を積んでいくにはちょうどいいスケールじゃないかと思います。中には大型建築では珍しい木造の施設もあり、ピークには1日100人の大工さんたちが出入りする中、“尺”の現場で奮闘する、という貴重な体験をさせてもらったこともありました。

現在取り組んでいる仕事子どもの目線で現場を見つめる

「認定こども園」の改築工事を担当しています。小学校に上がる前の子どもたちが利用する施設ですので、子どもの目線に立った建物づくりが最優先事項です。手すりの位置や床の段差、窓枠の処理など、細かい部分の仕上がりは現場に委ねられる部分が少なくありません。そこで文字通り子どもの背丈まで目線を下げて確認し、常に気配りすることを心掛けています。また施設のユーザーである先生方との打合せも密に設けていますが、図面だけではなかなか完成時のイメージを共有できないので、インテリアの一部ではモックアップ(模型)を作製しました。このように建物は用途によって要点が異なってきますので、定められた工期と予算をどう配分して品質を高めていくのか、現場監督の采配が試されるポイントといえますね。

業務上大切にしていること設計者の想いに応える、曲線の墨だし

このように現場はバラエティーに富んでいますが、現場監督の仕事を項目として挙げてみると、実はそれほど大きな違いはありません。安全管理、品質管理、工程管理、原価管理、お客さんや協力業者さんとの打合せ、そして各書類の作成など、ある程度決まった流れがあります。先に述べたように、建物が誰のために建てられるのかを常に念頭に置きながら、日々の業務に当たっています。そこでこの建物ならではの点をひとつ挙げるなら、直線がほとんどない特殊な設計には苦労しました。ゆるやかな円弧の墨だしを正確に行うため、CADを駆使して仮想の基準点を求めたのですが、壁という壁でその手間のかかる作業を求められたのはちょっとした誤算でした(笑)。まだ完成前ですが、この部分は設計者の大きなこだわりの部分でしたので、無事に意図を具現化できてホッとしています。

仕事の魅力・石川建設の魅力先輩たちの信用を受け継ぐ仕事

今担当している「認定こども園」は、工事名こそ改築となっていますが、旧来の建物を使いながら新しく1棟を建て増しし、園児たちが引っ越した後に古い建物を撤去するという、実質的には新築工事に当たります。この古い建物も20年前に石川建設が建てたもので、その縁もあってこの工事のために行われた入札に声を掛けていただいたと聞いています。その入札で当社が選定された理由には、先輩たちが長年にわたって確かな建物で証明した、その信頼に対する評価もきっとあったのではないでしょうか。当社は社訓として「信用第一」を掲げており、私自身もこの言葉を胸に刻んで日々の業務に当たっていますが、こうして先輩たちの功績に直接触れると、社訓が示す意味の重さを実感しますね。
1日の流れ

7:50

現場に到着

8:00

朝礼現在の工事の進捗を確認するとともに、作業が集中している区画の情報を共有する。

9:00

現場打合せ手すりの位置について職人さんと。メールや携帯は便利だが、極力会話するようにしている。

12:00

昼食年齢の離れた職人さんが多いので、食事時のコミュニケーションは貴重な経験。

13:00

現場見回り屋上の塗装作業が始まっているので状況を確認。

15:00

施工確認午前中に打合せした手すりの位置を確認。子ども用施設なので職人さんには勝手が違うよう。

17:00~

帰社~帰宅現場を片付けた後、本社に戻って報告書を作成。同僚と工事の進捗を確認し合って退社。
MESSAGE

苦労を上回る喜びが、現場監督にはあります!

優れた現場監督を育てる一番の糧は、豊富で幅広い経験です。石川建設は比較的若手のころからいろいろな現場を体験させてもらえるので、その点では同じくらいの経験年数を持つどんな同業者に対しても引けをとらないという自負があります。工事現場は、その工事を完成させるためにお金と資材と人が集まった、小さな企業のようなもので、現場監督はいわば期間限定の社長といえる存在です。責任は大きいですが、この現場は自分が守るんだ、自分が完成させるんだという気概を、誰よりも強く持つことができる役職です。忙しい仕事であることは否めませんが、この醍醐味は土木建築を志す人には大きな魅力なのではないでしょうか。